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ニュースリリース

2012年3月14日
経営関連

3月定例社長会見

詳細

1 最近の営業・輸送状況

(1) 運輸取扱収入の状況
2月の収入計は対前年比101.8%と比較的順調に推移しておりますが、うるう年による効果であることから慎重に見守りたいと考えております。
また3月は昨年東日本大震災の影響が反映された数値との比較になることから、13日までで、収入計、近距離券、中長距離券ともに前年を上回る数字となっており、今後、年度末に向かって前年度比では好調に見えると思いますが、本当に好調なのかどうかは慎重に判断したいと考えております。

   ○運輸取扱収入の状況(前年同日比)  
対象期間収入計近距離券中長距離券定期券
2月 101.8% 102.8% 101.2% 102.0%
3月(13日まで) 102.4% 104.1% 103.4% 96.9%
23年度累計 102.5% 101.7% 103.6% 100.2%

 ※注釈 駅などの取扱高を示します。
 ※注釈 3月、23年度累計は直営の速報値です。

(2) 新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況
 2月の新幹線のご利用状況は対前年比104%、アーバンネットワークは102%と前年を上回りました。在来線特急については対前年比98%と前年を下回っておりますが、北陸地方を中心とした雪害による運休が影響したものと考えております。

○ご利用状況(前年同日比)
対象期間新幹線在来線特急アーバンネットワーク
2月 104% 98% 102%
3月(13日まで) 105% 109% 103%

 ※注釈 3月の数値は速報値です。 

2 山陽・九州新幹線直通運転開始1年の状況などについて

(1) 開業後のご利用状況等
 九州新幹線のご利用状況の指標となる小倉〜博多駅間の新幹線のご利用状況については、昨年3月開業後1年間のトータルで対前年比119%となりました。しかし、1月は116%、2月は114%となり、ややご利用のスローダウンの傾向が始まっているようにも見えます。危機的な状況とは考えておりませんが、後ほどお話させていただくさまざまな営業施策を展開することにより、この傾向に歯止めをかけたいと考えております。
 当社管内から九州方面の個人型旅行商品の販売実績は、熊本方面は前年比5倍、鹿児島方面は15倍と大変好調です。また、航空機とのシェアについては明確な数値はなく、想定ではございますが、直通運転開始前と比べて京阪神〜鹿児島駅間で約10%が40%に、京阪神〜熊本駅間で約30%が60%に拡大し、いずれも好調であると考えております。
 結果、直通運転開始による増収予想を、年度当初では85億円と見込んでおりましたが、第3四半期決算において165億円に上方修正いたしました。
 この1年を見ますと、山陽新幹線のご利用は非常に好調であり、とりわけ九州直通新幹線が大きく貢献していますが、少し陰りが見え始めたことから、これに対する対策を講じていきたいと考えております。ちなみに、九州方面へいらっしゃるお客様の約4割程度が、「観光目的」のお客様です。

(2) 臨時列車とダイヤ改正
 好調なご利用状況を踏まえ、これまで臨時列車も多く設定いたしました。九州直通臨時列車が上下計106本、また、団体臨時列車が上下計14本です。
 これらの状況をもとに、今春のダイヤ改正で「みずほ」「さくら」の定期列車15往復を23往復に増発します。

(3) 今後の営業施策・展望
 まず、地域と連携したキャンペーンでは、直通運転開始の半年以上前から、自治体の方々が関西で熊本、鹿児島の魅力をアピールするなどの努力をされ、私どもも支援させていただきました。開業前日に東日本大震災が発生し、6月にキャンペーンをスタートするまで主だった販売促進活動を行っておりませんでした。しかし、自治体の方々が開業前に行っておられたキャンペーン活動のご努力が大きかったことから、多くの方々にご利用いただくことができました。
 今後、修学旅行でのご利用も私どもにとって大きなテーマであり、九州方面への修学旅行を計画される学校も増加しております。これまでの直通定期列車15往復では座席数の関係から修学旅行生の受け入れを十分にできませんでしたが、23往復となり、今後はさらに弾力的に臨時列車も運転できるようになりますので、修学旅行の需要に対してきっちりお応えしていきたいと考えております。
 さらに、訪日外国人向けの商品市場は、新たなお客様を獲得する非常に有力なマーケットと考えており、JR6社のJAPAN RAIL PASSのほか、当社版として「WEST JAPAN RAIL PASS」を販売しております。これを少し改良し、さらに魅力的な商品にしたいと考えております。また、訪日外国人の方々がJR九州・四国・西日本の3社管内を自由にご乗車いただけるような商品も開発・販売したいと考えております。
 一方、南九州から関西へお越しいただく施策も進めたいと考えております。直通運転開始後、九州発京阪神方面への旅行商品では、2割程度お客様が増加しております。今後さらなる拡大を目指し、「三都物語Web」「マイ・フェイバリット関西」といったウェブサイトを立ち上げておりますが、関西の魅力をぜひ九州の方々にも知っていただきたいと考えております。

(4) JR九州と連携した九州地区での宣伝等の実施
 テレビCM「三都物語」の九州地区での放映や、「山陽・九州新幹線直通1周年キャンペーン」に合わせた、熊本・鹿児島でのテレビ特番を放映したり、平成24年1月から3月の「京都デスティネーションキャンペーン」の宣伝地域に九州地区を含め、ポスターなどを大々的に掲出するなど宣伝を強化しています。

3 紀勢線における震災対策、津波対策について

 過日、JR東日本が首都直下地震に備えた総合的な地震対策を発表しました。当社も地震に備えた計画を詰めている状況であり、まもなく皆さまにお知らせすることができると思いますが、今日はその中でも三連動地震(東海、東南海、南海地震)の備えが必要な紀勢線における取り組みをご紹介します。現時点で完成したものとは思っておりませんが、これまで実施したもの、近々実施するものをお伝えします。 

(1) 地震・津波情報の伝達
 地震計からの情報に加え、気象庁の緊急地震速報を乗務員に自動伝達するシステムを平成20年以降使用しております。
今回GPS運転士支援装置に浸水区域内在線警報機能を追加します。この装置は小型・軽量であり、運転士がお客様を誘導し列車を離れる際にも携帯可能となる装置です。
 通常は次の停車駅の案内等が表示されますが、津波浸水が予想される区域内に立ち入ると津波被害が予想されないときであっても津波マークを表示し運転士に伝えます。これにより、まず運転士には地震情報が自動伝達され、さらに運転士は自身の乗務列車が津波危険区域にいるのかどうかを判断することができます。平成24年3月より全列車に設置する予定です。運転士が地震速報及び津波情報を把握するために役立ててもらいたいと考えております。
開発中の通告券伝達システムを活用して、大津波警報が発せられた場合などに運転士に文字で情報を伝えるようにしたいと考えております。平成25年度中の開発を目指しています。
 また、本年1月より乗務員に携帯ラジオを配付しました。東日本大震災において携帯電話も乗務員用無線も不通となった事実から、乗務員の情報入手にラジオが有効だと判断しました。
 最後に、無人駅においては指令から遠隔自動放送(リピート放送)を実施できるようにします。地震情報等をお客様に早くお知らせすることにより避難が可能となります。和歌山〜白浜駅間で実施する予定です。

 地震、津波情報の伝達

(2) 避難に係る環境整備
○ハード対策
 本年6月までに紀勢線の列車運転台に避難はしごを搭載します。全定期列車が対象であり、247両です。1車両につき2本搭載されることになります。通常はコンパクトに折りたため、重さは9キログラムです。
 運転台にLED作業灯、携帯型セーフティライトを搭載します。セーフティライトは夜間の道しるべとなり、数メートルごとにこれを置いていくことにより、後から続いてくる人が道に迷わないことを期待しています。

ハード対策

 また、浸水区域内の線路から国道に上るための階段を整備します。現在6箇所で整備を終えています。階段整備に適した箇所は多くはありませんが、今後も整備を続けたいと考えています。

 ○ソフト対策
 平成19年12月に「紀勢本線 津波浸水地図」を策定しました。自治体が発表した被害予測に基づき作成しました。乗務員区所などに配付されています。ベテラン乗務員は携行しませんがすでに内容を把握しています。新任乗務員には非常に重要なサポート役として携行し、内容を把握してもらいたいと考えています。また、紀勢線の乗務員は地震・津波への対策意識が高く、過日も東日本大震災の被害を確認するため現地へ訪問しています。
 避難ルートマップを駅へ掲示します。その際、大きな地図は駅に掲示し、携帯用の小さな地図は携行できるよう2種類作っています。
和歌山支社において、3月11日に津波警報発令を想定した対処訓練を実施しました。今後も、夜間、停電、車椅子対応等様々な条件を加え、実践に即した訓練を実施していきたいと考えております。

4 天満駅と五日市駅での定期券の不正発行、着服について

 先日来、天満駅と五日市駅の定期券の不正発行、着服という不正行為により、ご利用のお客様の信頼を裏切ってしまったことをお詫び申し上げます。大変申し訳ないことだと考えております。
 2つの駅では、似たような手口で、長期間にわたり多額の現金が着服されていました。当社の信用、信頼が大きく損なわれる極めて重大な問題であると深刻に受け止めております。
 この件を単なる社員の不祥事と受け止めてはならないと考えております。まだ調査の途中ではありますが、当該駅では、当社が定めた正規のルールを守っていなかったということが確認されておりますし、不正防止策が十分に機能しておらず、加えて本社・支社の指導が不十分であったと大いに反省させられます。
 そういった意味では、今回の定期券の不正発行に限定することなく、現金等の管理体制全体に渡った点検が必要であると考えています。
 現在は、他に同様の事象が発生していないか、一つ残さず見つけ出すために、徹底的な調査を進めています。これに合わせ、取り扱いルールの遵守状況やチェック機能の有効性も含めて実態を調査し、問題点の洗い出しを行っているところです。
 事象が発生して以来、相当な日数が経過していることは十分承知しておりますが、とにかく十分な調査をしたいと考えております。調査終了後には、調査内容ならびに総合的な対策についてご説明させていただきたいと考えておりますので、申し訳ございませんが、説明までもうしばらくお待ちいただきたいと思います。
 総合的な対策をとる前に同様の事象が発生しないよう、緊急的な措置として、管理者によるチェックの義務付けなどにより、正規の取り扱いを徹底するよう指導しているところでございます。
 なお、天満駅、五日市駅の社員については、既に両名ともに懲戒処分といたしております。管理責任につきましては、全社的な調査の結果を踏まえて、厳正に対応してまいりたいと考えております。五日市駅の事象につきましては、現在警察に相談させていただいておりますが、厳正に対応してまいります。

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